簡便法は簡便か?

シンプルな方が良い場合もありますし、そうでない場合もあります。
写真の料理は、シンプルな方が良い一例です。
原則法と簡便法
企業会計や税務の計算においては、原則的な方法と簡便的な方法の両方が認められていることがあります。
たとえば、退職給付会計という確定給付年金制度を採用している企業においては、役員や従業員に与える退職金を企業が、引当金として計上し、備えておく必要があります。
その引当金計算のための基礎数値は合理的である必要がありますが、高度な計算技術が必要となるため、保険会社を通じて、アクチュアリーという専門家に依頼することになります。
しかし、中小企業ではそれを依頼することが難しいため、企業が自ら計算できるように簡便的な方法が認められております。
簡便法は簡便か?
簡便法しか選択の余地がない企業は、簡便法を行なうしかありません。
一方で、原則法も可能な企業においては、どちらの方法で行なった方が得になるのかを見極める必要があります。
このため、簡便法と言われるものを採用している場合であっても、原則法と簡便法のどちらが有利かを計算する必要が出てくるため、簡便にはならないというケースも出てきます。
継続性の原則
会計の基本的な原則のひとつに、継続性の原則というものがあります。
会計の処理方法は、みだりに変更したりせずに、毎期継続的に適用することを定めております。
退職給付会計に関しても、継続性の原則が適用されるため、一度どちらかの方法に決めた場合には、それを継続適用する必要があります。
ただし、企業の状況が大きく変わった場合には、処理方法を変更する必要があるでしょう。
その場合、財務諸表に会計方針の変更として、注記を表示することになります。
原則法と簡便法が両方が税務上または会計上、認められているケースは退職給付会計以外にもいくつかあります。
中古資産の減価償却方法も選択適用が認められております。
この場合も、簡便法と原則法のどちらが良いのかを見極める必要があります。
このため、結果的には簡便法と原則法の両方の計算を行なうことになってしまい、簡便法といえども、簡便ではないこともありますので、注意が必要となります。