交際費はなぜ措置法なのか?

交際費という事で、飲食店のイメージです。
交際費は租税特別措置法
税金に関する法律は、税金の種類ごとに決められております。
たとえば、法人税なら法人税法、所得税なら所得税法のようになっています。
これらを本法(ほんぽう)といったりします。
ただし、例外があり、経済の状況や政策的な必要性から、租税特別措置法(以下、措置法といいます)という本法とは別の法律で定められているものもあります。
法人税の申告においては、交際費に関する項目があり、会社の規模によって、一定の金額の交際費を費用として認める(簡単にいうと税金がかからない)となっております。
この交際費の項目は、納税者にとっては、頻繁に使われるものであるため、よく話題になります。
それだけ重要性の高いものといえます。
これが、なぜか本法ではなく、措置法に定められております。
重要性が高いものであれば、本法にするのが通常ですが、なぜか措置法です。
以前、ある著名な税法学者の方とお話する機会があり、その方が「交際費が措置法であることを知らない大学院受験生がいる」とおっしゃっておりました。
一般の納税者にとっては、直接関係のないお話ですが、税法学者の方々にとっては、重要な話だったりします。
(どこの大学院とは言いませんが、大学院受験生の方はご注意いただければと思います…)
今でも措置法の理由
交際費が措置法として規定された経緯は、ネットで調べるといくつか出てきます。
吉田内閣の際に、法律として制定できず、やむなく措置法として制定されたというのが、経緯と思われます。
その措置法ですが、なぜいまだに措置法のままなのでしょうか?
色々な方にも聞いてみましたが、はっきりとした回答はなさそうです。
次のような意見はありました。
・交際費は政策的な税制であるため、世の中の状況に合わせて修正する必要があるが、措置法から、本法に昇格すると簡単には修正できないため
・もともと交際費は冗費であるから、本法にするとこれを認めることになるため
一方で、交際費は経費性がある(交際費は売上を上げるための費用)ため、損金として認めるべきという意見もあります。
・措置法のままでも誰も困らないため(改正の要望がない)
どの意見も決め手に欠くような気がします。
措置法は以前から標的
措置法は戦後のシャウプ勧告で、一度、ほとんどなくなりました。
シャウプ博士の、措置法の存在が真の公平をゆがめてしまうという考えからです。
しかし、ほどなくして措置法が復活したのですが、その後も平成22年に「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律」が制定されるなど、措置法をめぐる対応が続いております。