会計はアートか?

会計がアートかという発想は、私にはありませんでした…。

会計はアートか?

これまで会計がアートであるということを考えたことがありませんでした。
アメリカでは以前からこのような議論がなされていたようです。
会計学者の藤井秀樹教授は、この問題に関するアメリカにおける議論を整理しています。
これらの議論の中での「アート」とは、会計が「科学」であることを阻害する要因とされています。
誤解を恐れずに、簡単に言ってしまうと、科学に対する対義語として、アートという言葉が用いられているようです。

このため、アートの中に会計があるのではなく、会計は科学ではないから、アートであると言っているように思えます。
科学ではないから、アートというのも、だいぶ違和感があります…。

それでは、ここでいうアートとは何を指しているのでしょう。

科学的と非科学的

アメリカにおける議論での科学とは、客観的であり、個人的な見解に左右されないものとされています。
一方、会計には裁量的な側面があるとしています。
たとえば、複式簿記に見られるように、勘定科目を担当者の考えで決めることができるといったものです。
このため、会計は科学的ではなく、非科学的であり、アートであるということを主張している学者がいたようです。

先日紹介したブライアン・イーノは、アートの役割について次のように述べていました。
難しいことを簡単に説明すること
イーノは著作の中で、実用的なものでなくなるとアートが入り込む余地が増えていくと述べております。
先のアメリカでの議論は、同じことを言っているわけではありませんが、イーノが述べていることにも近いような気もします。

最終的にこのアメリカの議論の中では、会計を科学的なものにしていこうという考えが見られるようです。
科学の反対の概念という考えは、アートに関連する方々には、嫌がられそうな議論ですが、興味深い話だと思います。

アートとの結びつき

話は少しそれますが、アートが会計と結びつきがないかというと、そのようなことはないでしょう。
実際にアートに関連する方々には、アートを発表・発信したり、維持したりするために、会計と関連することが多いかと思います。
もともと、美術の歴史においては、支援者としてのパトロンの存在がフィーチャーされることがあります。
一方で、会計を行なう側からしても、美術品の時価算定のように関連することもあり、まったく無関係かというと、そのようなこともないのがわかります。
アートという観点から、会計を考えるのも楽しいかと思います。