固定資産に引当金を設定できるか?

2025年7月1日

引当金とは将来の費用の発生に備えて、準備をしておくものです。
それでは固定資産の購入のために、引当金を設定することはできるでしょうか?

建物を建設するためだったら、かなりの資金の準備が必要になります…。

 

固定資産の購入のための準備

固定資産を購入するためには、それなりに資金が必要になります。
将来的に固定資産を購入することがわかっているのであれば、
それに対する準備を行っておきたいものです。
大きな会社であれば、それなりの設備や機械を購入するために資金が必要になるでしょうし、
小さな会社でも固定資産になるようなものを買うための資金が必要になります。

それでは会計上、どのようにして資金を確保しておけば良いでしょうか?
銀行預金に色分けができるのであれば、この預金はこの資産の資金で確保している、というような
ことができます。
実際にそれを自己の資料として記録しておいて、わかるようにしておくのでも良いでしょう。

会計の正式な資料として、残したいということがある場合にはどのようにすればよいでしょうか?
貸倒のときに備える引当金のようなもので、準備を行っておくことはできるでしょうか?

引当金とは

引当金とは、貸倒引当金のように、売掛金や受取手形などの回収ができない場合に備えるほか、
修理や賞与などの支出に備えて、資金を準備しておくことができます。

この引当金を設定するためには、条件があって、その条件をクリアすることが必要になります。

・将来的に発生する費用や損失であること
・その費用や損失が、当期以前のことが原因になっていること
・費用や損失の発生する可能性が高いこと
・金額をきちんと見積もることができること

固定資産に引当金を設定することを考えた場合、これらの条件をクリアできそうな感じもしますが、
当期以前の原因によって、その費用や損失が発生するというところが、クリアできないでしょう。
過去の何かが原因になっているというところが当てはまりません…。

またこれらの条件をクリアすること以外に、その前提として引当金が負債であるという条件も
クリアにする必要があります。
負債の条件というのも、過去の取引によって発生したものが原因になっている必要があり、
この点でクリアできません。

ではどうすればよいのでしょうか?

どうすればよいか?

ひとつの方法としては、積立金として積み立てる方法があります。
任意積立金として、特定の資産の支出に備えて、会社の中に資金を確保することができます。
積立金は、引当金とは異なり、負債ではなく、純資産というところに分類されますので、
先のような問題は発生しません。

その代わり、純資産としての管理が必要となります。
このため、積立金として積み立てておく場合でも、対応が可能かを事前に調べておく必要があります。