会計と税金計算のルールの違い

会社の会計と税金計算のルールの違いあるので、
税金の計算はややこしくなります。

会社の会計と税金計算のルールが一緒だと簡単ですが…

会社の会計の目的

会社で作る経理関係の書類は、会社内部のお金の状況やもうかっているかどうかを
社長をはじめとした会社を経営している人たちのために作られます。
また、その会社に投資する株主やその会社にお金を貸してくれる銀行などに向けて作ります。

その経理関係の書類は、会計のルールによって決められております。
このルールは法律ではないのですが、国際的な会計の基準もあり、それらが日本の会計ルールにも
導入されることもあります。

税金計算のルールとの違い

一方で、税金の計算で使われるルールは、基本的には先ほどの会計のルールを使うことに
なっております。
しかし、税金の計算においては、会計のルールをそのまま当てはめると、税金の負担が
公平にならないため、税金計算特有のルールがあります。
こちらは法人税法という法律で決められております。

このため、税金計算をする際には、いったん会計のルールに従って、経理書類を作りますが、
その後に、税金計算のルールと違うところを修正して、税務署へ提出する書類を作ります。

このように税金計算では、まずは会計のルールで経理書類が作成されることを前提として、
おこなわれます。

税金計算のルールにしたがって会計すること

それでは最初から税金計算のルールにしたがって、経理書類をつくるとどうなるでしょう?
最初の部分でも書いたとおり、会計のルールによってつくられた経理書類は会社の経営者や
株主、銀行に向けて作る書類が、税金計算を目的としたルールによって作られることになります。

株主や銀行に向けた書類は、利益がなるべく大きくなるように作られますが、
税金計算を目的としたものは、税金をなるべく小さくしたいので、利益が小さくなるように作られます。
もちろん、それぞれのルールの範囲内で書類はつくられます。

それでも税金計算の書類に誤りがないようにするためや、会計のルールで作成した書類を修正しないで
済むように、なるべく税金計算をシンプルにするために、税金計算を目的としたルールで
作ることもあるでしょう。

本来であれば、会計のルールに税金計算のルールはしたがうことになっているのですが、
それが逆になるので、「逆基準性」といったりするようです。

この問題について、いろいろなところで議論はされておりますが、結論は出ていないようです。
会社経理部門の手間の問題もあり、基本的には、これまで通りの会計のルールをもとに、
税金計算のルールで修正して税金計算をおこなうことなっているようです。