輸出のときに消費税をはらわないのはなぜ?
外国とのやり取りでは、輸入と輸出のときの消費税のしはらいは異なります。
なぜ異なるのでしょうか。
輸入の時は消費税がきっちり取られます。
輸入と輸出の消費税の違い
ものを外国から買うとき(輸入)は、消費税をはらいます。
日本にものが入ってくるときに、税関を経由するので、
そこで関税と消費税がかかります。
一方、ものを外国に売るとき(輸出)は、消費税はかかりません。
なぜ、輸入と輸出のときでは、消費税がかかったり、かからなかったり
するのでしょうか。
そして、輸入の時だけ、はらうというのは、なにか損した気分に
なりますが、損するわけではありません。
なぜ輸入の時だけ、はらうのか
なぜ輸入の時だけは、はらわないとならないのでしょうか?
それは国内で買うときと、海外から買うときで、差をつけないためです。
消費税の率は、国によって異なります。
A国が10%であっても、B国は20%の場合もあります。
輸入したときに消費税をはらうのは、同じものを国内で買っても、
海外から輸入して買っても、A国で買う場合、同じA国の10%の税率しか
かからなければ、同じ値段で買えます。
仮に輸出するときに、消費税がかかるということになると、
同じものがA国で買う場合、A国国内から買うときは10%の消費税がかけられ、
B国から輸出されたものを買うときは、20%の税率がかけられてしまうため、
値段が異なってしまいます。
この値段の違いを避けるために、輸入の時に消費税をかけるというルールになっています。
還付になるともうかるの?
輸出のときには消費税がかからない、ということになると、輸出ばかり
しているところは得をしているようにみえますが、そうではありません。
売った時の消費税から、買った時の消費税を引いて、国に納める消費税額が
決まります。
このため、輸出が多い会社は消費税が還付されることになり、もうけているように思えます。
しかし実際は、買うときに、はらった消費税分が、還付されて戻ってきているだけなので、
もうけているわけではありません。
以下に数字を用いて説明しております。
理解を深めたい方は、ご参考にしてください。
商品Aを100円で買います。
税率が10%であれば税込みで110円です。
利益を10円と考えた場合、120円が利益込みの値段です。
国内で売る場合、消費税12円のため132円で売ります。
輸出をする場合、消費税が0円のため120円で売ります。
この場合のもうけは、税込み額だと次のようになります。
国内は132円 – 110円 = 22円
輸出は120円 – 110円 = 10円
国への消費税額は、
国内で売る場合は、12円 – 10円 = 2円(支払い)
輸出する場合は、0円 – 10円 = マイナス10円(還付)
税抜きのもうけは、次のようになります。
国内の場合 22円 – 2円 = 20円
輸出する場合 10円 + 10円 = 20円
国内の場合も輸出する場合も、もうけは同じとなります。