その他有価証券の税効果会計で法人税等調整額が出ない理由

税効果会計の仕訳で使用する科目である法人税等調整額を、使わないケースがあります。
それを今回紹介いたします。

家にあっても、この筆はそうそうたやすく使えないでしょう。

税効果会計の仕訳

税効果会計の仕訳は、次のようになります。

(借方)繰延税金資産(貸方)法人税等調整額

他にも繰延税金負債という科目もありますが、貸借が逆になって、繰延税金資産が繰延税金負債に置き換わるだけですので、実質的にはこの仕訳だけといっても良いでしょう。
これが定番の仕訳になりますが、その他有価証券の評価差額については、法人税等調整額を使わないで仕訳をします

(そもそも税効果会計とは何ということについては、以下のブログを参考にしていただければと思います)
なぜ税効果会計は必要なのか

その他有価証券のケース

その他有価証券は、会計上の処理では時価評価で処理をしますが、税務上では原価評価で処理をします。
このため、会計と税務上での差異が出てしまいます。
この差異を調整するために、税効果会計を行います。
たとえば、評価差損がでたケースでは次のような仕訳になります。

(借方)繰延税金資産       (貸方)投資有価証券
(借方)その他有価証券評価差額金

定番の仕訳で登場していた法人税等調整額がありませんが、これはなぜでしょうか。

BS科目の調整

その他有価証券の調整は、BS科目の調整となります。
他の税効果会計での仕訳は、期間的な差異により発生する差異を埋めるため、税効果会計をおこないます。
たとえば、賞与引当金などの引当金関連の仕訳や、減価償却費の仕訳で発生する会計と税務の差異が、期間的な差異です。

一方、その他有価証券は評価差額により発生している差異のため、BS科目で仕訳を行い、PL科目は登場しません。
このため、その他有価証券の仕訳においては、法人税等調整額を使用しません。

ただし、その他有価証券の評価方法のうち、部分純資産直入法の場合には、評価差益の場合にはBS科目のみですが、評価差損の場合には投資有価証券損益というPL科目を使用します。
この場合には、法人税等調整額が税効果会計の際には、出てきます。
この例外は除くことになります。