租税法での解釈の方法 文理解釈以外の解釈はあるのか

税に関する法律を総称する租税法においては、言葉の解釈にはいくつかの方法があるでしょうか。
裁判例を参考にして、紹介いたします。

富士山は見方によって、色々と変わります。
解釈も見方によっては、色々な読み取り方ができます。

 

租税法における解釈

租税法における解釈の方法としては、「文理解釈」があります。
文理解釈とは、法律の文言にしたがって解釈することです。
ただし、文理解釈だけでは解釈できない場合のみ、趣旨解釈で解釈されることもあるとされております。

「ホステス報酬事件」と呼ばれている裁判において、「期間」という言葉に関し、その解釈方法が争点となりました。
高等裁判所では、「期間」という言葉に関して、法律が作られたときの趣旨も考慮に入れて、結論を出しました。
しかし、最高裁判所では「期間」という言葉は、趣旨を考慮しなくても、その言葉だけで解釈ができるとして、高等裁判所の結論と異なる結論を出しました。

他の解釈方法はあるか

文理解釈と趣旨解釈以外には、例として挙げると次のような解釈の方法があります。
・類推解釈
・拡張解釈
・縮小解釈
・反対解釈
・勿論解釈

これらの解釈方法は、他の法律においては、認められる場合もあります。
しかし、租税法においては、先にあげたように文理解釈を基本として、場合によっては趣旨解釈を認めるだけで、類推解釈や拡張解釈などは認められておりません。

なぜ他の解釈が認められないのか

他の解釈方法を認めてしまうと、人によって法律の意味を色々な意味にとってしまい、その人の思うままに変えられてしまう可能性があるためです。
それによって税金の額が変わるということは許されません。
このようなことを法的安定性といいます。

また他の解釈方法で、別の解釈が認められてしまうと、納税者が見込んでいた税額と異なる結果が出てきてしまい、場合によっては経済的なダメージを受けます。
このように納税者が、予見できない状態になることは認められておりません。
これを予測可能性といいます。

これら法的安定性と予測可能性を確保するために、他の解釈が認められていません。