低額譲渡の考え方 南西通商事件
税金の計算では、「ものをあげる」という事に対して、少し違った考え方がみられます。
法律に書かれていないものは、裁判ではっきりさせることになります。
今回の件も、法律に記載されていない部分について、裁判となりました。

現在、法律はe-Govというホームページをインターネットで簡単に検索できます。
ものをあげること
ものをあげる場合、あげた側はあげたもの(資産)が単純に減ることになるので、経理上は売上をあげることができません。
このため、利益にはなりません。
しかし、税金の計算においては、あげた場合でも、利益(所得)にならないということはありません。
経理がおこなう会計と税金の計算では、計算の目的が異なるので、経理と税金計算では利益(所得)に対する考え方が異なります。
経理(会計)では、一定の期間内の適切な損益計算と一時点の資産と負債の評価を正しく行うという目的にあります。
一方で税金の計算においては、課税の公平という目的があります。
この違いによって、計算方法が異なる場合があります。
ただでものをあげること
税金の計算で、ただでものをあげても、適切な価格でものを売っても、同じく公平に取り扱うことになっています。
適切な価格で売っても、ただであげても、もの(資産)を相手に渡したことは同じ行為なのに、税金の計算を行うときに、異なる取り扱いにしてしまうと、企業間の競争が公平にならないためです。
ただであげる場合、税金計算ではどのように考えるかというと、一旦、適正な価格で売って、その売った分を寄付したと考えます。
これによって、適正な価格で売ったということが税金計算上できて、その後、寄付したという事にして、ただであげたということにします。
裁判所の考え(南西通商事件)
それでは適正な価格よりも低い価格で場合はどのようになるでしょうか?
南西通商事件として裁判となりました。
裁判のあった当時、法人税法においては、適切な価格で販売した場合と上記のようなただであげた場合は、規定されておりました。
しかし、低い価格で売った場合については、法律には記載されておりませんでした。
このため、法律をどのように解釈するかということが、争点のひとつになりました。
結果としては、低い価格で売ったとしても、適正な価格で売ったと考えて、税金の計算を行うということになりました。
これはこの当時、税金計算をする際に一般的に考えられていた方法と同じ計算方法でした。
それを判例によって、明確にされたことになります。
後日、法人税法22条の2という法律が制定され、低額譲渡に対する考え方もカバーされるようになりました。