輸出入(貿易)の際に気を付けるべき税金関連の法律

輸出入の際、税金に関しては、どのような法律に気を付けるべきでしょうか。
税理士と通関士の観点から、まとめてみました。

国内線なので、輸出入は関係ありませんが…。

輸入の時

輸出入をする際には、いくつかの法律が絡んできます。
まずは輸入についてみてみましょう。
輸入時に大きく関連するのは、次の税金に関する法律です。

・関税(関税法、関税定率法など)
・消費税(消費税法)

関税は、輸入通関時の輸入申告を行う際に、どこの国から、どのような貨物をいくらの金額で輸入するかによって、決まります。
税金がまったくかからないものから、政策的に高い税率をかけているものまで色々とあります。

消費税は輸入時の価格(運賃、保険込みの価格)に対して、一律にかかりますが、一定の貨物には消費税のかからない場合もあります。

また金型を協力会社に貸与している場合や出張者が技術支援している場合など貨物の輸入価格に影響する可能性があるため、事前に税関に申告する必要があります。
これを評価申告制度といい、関税や消費税に影響する可能性があります。

評価申告に関しては、以下の記事にて紹介しておりますので、ご参考いただければと思います。
https://ota-x.com/import-declaration/

 

輸出の時

輸出の場合には、輸入の場合とは異なり、日本側で税金がかからないことから、日本輸出時において気を付けるのは、後述する危険物と外為法関連となります。

しかし、取引先(貿易相手)が貨物を受け取る際には、輸入となりますので、輸入側を課税にも配慮する必要があります。

価格の記載方法によっては、不当に利益を関連会社に移転したとして、移転価格が関係してくる可能性があります。
そうなると法人税(法人税法)も関係してくることになります。
貨物の輸出に絡まない国際取引では、外国税額控除や過少資本税制などで法人税が関連する可能性があります。

そのほか貿易の際に注意すべき法律

個人での輸出の際には、あまり法律のことは気にしないかと思います。
薬物、ポルノ、模倣品や生物などの取引に関しては、よく聞く話ですので、それぞれの関連法令にしたがい、対応をしていることでしょう。

最近は危険物に関しては、物流業者は神経をとがらせております。
特に航空機において、電池の輸送については、大変気を使っております。

モバイル充電器のようなリチウム電池だけではなく、マンガン電池やニッケル電池などにも規制がある場合があるので、十分に気を付けましょう。
船での輸送でも厳しくなってきております。

また武器や大量破壊兵器に輸出に関連する外為法(外国為替及び外国貿易法)は、直接武器にならなくても、武器に転用できる貨物は、民生転用品(デュアルユース)として、規制されることがあります。
輸出する国によって、規制の度合いも変わりますので、心配な場合には、物流業者に確認するのがよいでしょう。