繰延資産の今後

2025年6月7日

繰延資産という経理の項目があります。
無くなるといわれ続けて、ずいぶん日にちがたちました。

無くなるといわれても、なかなか無くならないものもあります。

繰延資産とは

繰延資産とは、ある決められたことに対して、お金を払って、その効果が何年かにわたって
続く場合に、使われる経理の項目です。
「資産」というと、普通は家や車や土地などを考えますが、繰延資産は資産という名前ですが、
実際には何もないので、先ほどのような場合だったら、何でも繰延資産にできてしまう、
ということにならないように、決まったものだけ、繰延資産とすることができるように
なっています。

その決まったものとは、次のようなものです。
・株式交付費
・社債発行費
・創立費
・開業費
・開発費

いずれも一般的にはなじみのないものですが、会社を立ち上げたりすると、
これらのものが関係してくる場合があります。

例えば、創立費や開業費は、会社を始める際にかかった費用です。
このような経費を、すぐに費用とする赤字になってしまうので、
繰延資産として何年かにわたって費用することができるようになっています。

無くなるといわれて

先に申しました通り、繰延資産は現物として実際に存在するものではありません。
またお金にかえられるものでもありません。
そのようなものが、繰延資産として存在するのはどうか、どちらかという
無形の固定資産に該当するのでは、という話が会計の世界でありました。
無形の固定資産とは、ソフトウエアとか特許権などのような資産です。

欧州で幅広く取り入れられている会計方法では、日本の繰延資産は無形の固定資産に
当てはまる場合もあるようです。
このため無形の固定資産に入れて、繰延資産はやめようといわれて、
既に10年以上たっています。

今後

繰延資産は今のところ、これまで通りですので、資産としてあげておきたい場合には、
そのようにすることもできます。
今後、どのように変わっていくのか、わかりませんが、変わる場合には
数年かけて徐々に変えていくということになるのでしょう。

会社をこれから立ち上げる場合には、まだこのような方法ですぐに
経費としないで済む方法がありますので、興味がありましたら、
検討してみてよいかもしれません。