法人税法は別段の定めで成り立っている

法人税法という法人税に関する法律があります。
この法律には、「別段の定め」という言葉が出てきます。
この「別段の定め」とは何を指すのでしょうか。


こちらは三段が普通かと思います…。

 

会計原則や会社法を基礎

税に関する法律は、もともと公平、中立、簡素を目指しているとされています。
法人税法も、その成り立ちにおいて、内容が複雑にならないようにするために、企業会計をベースに作成されております。
このため、基本は企業会計がベースとなっており、会社法の会計、税法の会計が重なるという構造になっているといわれております。
その基本となる企業会計とは何でしょう。
企業会計審議会で定める「企業会計原則」が、それに該当するとされております。
(税法が何をベースとしているかについては、諸説ありますが…)

別段の定めとは

法人税法のメインの条文は、第22条といわれております。
これは法人税を計算するための基礎となる、所得、益金、損金などの定義が決められているからです。
この法人税法第22条に、「別段の定め」という言葉が登場します。

たとえば、第22条2項は、益金の額についての条文になります。
益金の額を定めたこの条文に、「別段の定め」が出てきます。
「~益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡~」となっていて、「別段の定め」を除いた資産の販売などが益金の額となるとなっております。
この場合の「別段の定め」は、第22条の後に出てくる条文がそれに当てはまります。
たとえば、第24条に受取配当に関する条文があります。
この受取配当は、22条の2項でいう「別段の定め」となります。
その第24条には、受取配当等のうち一定の額は益金の額に算入されないと書かれております。

公正処理基準とは

法人税法第22条の4項に、冒頭の企業会計に関係する条文があります。
「当該事業年度の収益の額(中略)は、別段の定めがあるものを除き、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算される」となっています。
第22条に定められている益金や損金の額は、別段に定めるものを除いて、「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」にしたがうとされています。
この「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」が「企業会計」すなわち「企業会計原則」といわれております。

つまりこれらを簡単にいうと、「別段の定め」以外は「企業会計原則」によるということになります。
ベースは企業会計原則にありますので、それ以外のところを法人税法が担っていると考えることもできます。
このため、ざっくりいうと、法人税法は「別段の定め」から成り立っているといえるでしょう。