なぜ税務調整が必要なのか
なぜ経理で出した利益とは別に、税金を計算するために調整をする必要があるのでしょうか?
その理由は説明いたします。

同じすずりでも観賞用のものと、字を書くためのものと、目的が異なる場合があります。
異なる理由
経理で出した利益を使わずに、それを別途調整して税金を計算するのはなぜでしょうか。
それは目的が違うためです。
経理で計算する利益は、1年間の会社の成績を知るためやそれを関係者に教えるためなどに必要となります。
一方で税金計算用の利益は、税金を納める人たちの間で、不公平がないようにする必要があります。
ひとことで言うと、次のようになります。
少し言葉が難しくなりますが…
経理(会計)→ 適正な期間損益計算
税金 → 課税の公平
それではどのように違うのかをみていきます。
どのように違うのか?
会社の経理で出した利益に、税率をかけて税金を計算した方が早いのに、とは思いますが、具体的には次のような理由で調整します。
たとえば、取引先の人たちと仕事をうまく進めるための交際費は、税金計算のために調整が必要な項目です。
仕事が円滑に進むように、一緒に食事をして気分的にも良くなった状態にすることは、よくあることでしょう。
仕事に必要な出費なので、会社の経費として認めてもらいたいところです。
しかし、それを制限なく認めてしまうと、必要以上にぜいたくをしたり、関係ない人を入れてしまったりして、どうせ税金で取られるぐらいなら、飲食で使ってしまった方が良いと考える人が増えてしまう可能性があります。
税金の計算においては、このようなことが起こらないために、一部の経費を認めたり、認めなかったりします。
会社の経理では、このような出費は、すべて交際費として必要経費に入れてしまいます。
このために調整が必要になります。
この交際費に関しては、調整がしやすい項目になるので、細かく規定が決まっています。
たとえば、会社の大きさでルールが異なります(2025年11月時点)。
・資本金などの金額が100億円を超える場合は、交際費は税金計算では経費になりません。
・資本金などの金額が1億円を超える場合は、交際費のうち50%が税金計算で費用と認められます。
・資本金などの金額が1億円以下の場合は、交際費のうち50%、または800万円のどちらか大きい金額まで税金計算で費用と認められます。
他にも細かくルールが決まっています。
他にはどんな調整項目があるのか?
交際費以外にも、調整項目は色々とあります。
・寄附金
・引当金
・受取配当金
などがあり、これらは全て法人税法などの法律で決められております。
ちなみにアメリカの場合には、経理用と税金用で別々に税金計算用の資料を作りますが、日本では会社の経理の利益を調整して税金計算を行います。