税務署の職員が間違ったアドバイスをした場合はどうなるか

税務署の職員が間違ってアドバイスをしてしまった場合には、税務署を訴えることができるでしょうか?
昔にあった裁判例を参考にして、説明いたします。

間違ってはいません。
偽物でもありません。
本物です。

裁判例

税務署の一般の職員の方が、納税者に間違ってアドバイスをしてしまった場合、税務署に訴えても、訴えを聞き入れてもらえる可能性は少ないでしょう。
昭和62年に最高裁判所まで争った「酒類販売業者青色申告事件」と呼ばれている裁判がありました。
この時は、間違ったアドバイスがあったというわけではないですが、納税者が青色申告の事業者としての申請をしていなかったのですが、その納税者からの青色申告を税務署が受け入れていたにもかかわらず、その青色申告を数年あとになってから青色申告を受け付けなかったという判例です。
青色申告の場合には、青色申告の特典が認められているのですが、白色申告となることで、それらの特典が取り消しになりました。
納税者は、以前から、税務署に青色申告に関して、相談していたようです。
最終的には、裁判では納税者は敗訴となりました。

この裁判では、民法に規定されている「信義則」と呼ばれる考えを用いて、争われました。
「信義則とは、ざっくり言ってしまうと、人の期待や信頼を裏切ってはならないということです。
この考え方は、税金の法律である租税法にも適用されるとされています。

「信義則」はどのような時に適用される?

税金の法律の中で、信義則はどのような時に適用されるでしょうか。
この点は、先の裁判で明確にされました。
次の条件をすべて満たした場合に適用されるとされました。
(裁判所の判旨をわかりやすくするために簡略化しております)

・信頼できる公的な見解であること
・その見解を信じて、何らかの行動したこと
・その見解に反した課税処分が行われたこと
・納税者が不利益を受けることになったこと
・納税者側にも落ち度はなかったこと

間違ったアドバイスがあった場合など

冒頭の問いに戻りますが、税務署の方が誤ってアドバイスをしてしまった場合に、訴えが受け入れられない理由は、この適用の条件に入っていないためです。
税務署の一般の職員のアドバイスは、信頼できる公的な見解ではありません。
このため、訴えを起こしても、裁判に勝てる可能性は少ないでしょう。
同様に、税務調査中の税務職員の発言を信頼した場合も、勝訴の可能性は低いです。
税務職員の方の肩書にもより、公的見解と同じ効果がある人の発言でなければ、訴えが受け入れられるのは難しいでしょう。