海外へ住所を移すときに注意しなければならない税金
海外へ住所を移すときに気を付けなければならない税金には何があるでしょうか。
いくつかご紹介いたします。

上の写真は、2000年当時のTate Modern美術館。
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注意するべき税金
海外に出国するときに気を付けるべき日本の税金はいくつかあります。
住民税は実際に出国する前に支払うべきでしょう。
住民票を異動する手続きを、区市町村役場で行ない際に、確認しておきましょう。
所得税も注意が必要です。
海外に住んでいても、日本で働くと所得税の課税対象になる可能性があります。
このブログでは詳細は省きますが、リモートワークの場合など気を付けるべき点はあります。
そして、資産家が海外に移転する際に気を付けるべき点は、国外転出時課税となります。
国外転出時課税
この制度は、資産家が海外に住むことで、税を逃れるのを防止するために作られた制度です。
対象となる資産家は、海外に行く時点で、1億円以上の株式のような有価証券などを持っている場合で、日本に過去10年間で5年以上住んでいた方が対象になります。
2025年10月現在で、税率は15%ほどになります。
課税されるのは、含み益に対してですので、以前1億円で購入した株式が、出国時点で1億1千万円の価値となっていたときは、1千万円に対して、約15%の課税になります。
単純に計算すると、税額は150万円程度になります。
税額が大きくなる可能性があるので、この制度には、納税の猶予が認められています。
納税を猶予してもらう場合でも、支払うべき税金相当の担保を提供しなければなりません。
また日本に戻って、日本に住むことになった場合には、そのまま株式を持って帰ってきた場合には、支払った税金の還付を受けることができます。
相続、贈与の時にも課税
この制度は富裕層をターゲットにしていることもあり、相続や贈与を受ける方が海外に住んでいる場合にも適用されます。
相続、贈与を受けることになったタイミングで、海外に住んでいた場合、先ほどの国外転出時の課税と同じ条件(1億円以上の株式のような有価証券などを持っている場合で、日本に過去10年間で5年以上住んでいた方)は、国外転出時と同じように課税の対象になります。
資産家を対象とした制度のため、一般にあまり知られていないことから、住所を海外に移す場合には要注意です。