無償による役務の享受はなぜ法人税法にないのか?
法人税の益金のパターンで無償による役務の享受について説明します。
法人税法のお話です。
農業を兼業している親友から頂いた無農薬有機栽培のお米と全粒粉のうどんです。
こちらは無償による資産の譲渡にて頂きました。
とてもおいしいです。
法人税法における益金
法人税においては、売上のような収入のことを益金(えききん)と呼びます。
法人税の法律である法人税法では、この益金にはいくつか種類があります。
有償か無償か、つまりお金を払うか、払わないかという視点と、資産か役務(技術)かという視点からパターン分けしております。
・有償による資産の譲渡
・有償による役務の提供
・無償による資産の譲渡
・無償による役務の提供
・無償による資産の譲受け
・その他の取引に係る収益
有償による資産の譲渡は、よくある取引で、お金を払って、資産を買ってもらうというものです。
有償による役務(技術)の提供した場合も同様です。
これらは通常の売上を取引です。
無償による資産の譲渡と無償による役務の提供は、ただであげることですが、無償で売った人も、有償で売った人と同じように公平に取り扱うため、法人税法では無償売っても益金となります。
寄付金での取引があったとして処理されます。
無償で資産をもらう場合も、益金が発生するとされております。
この場合は、受贈益による取引があったとして処理されます。
これらのことは、すべて法人税法に書かれております。
無償による役務の享受
無償による資産の譲受(もらう)については、益金になると法人税法に書かれております。
しかし、無償による役務の享受(もらう)については、なぜか法人税法に書かれておりません。
なぜでしょうか?
なぜ法人税法にないのか?
無償による役務の享受の場合、本来、支出すべき費用を払わなくて済むということと同じであり、その分の所得の金額が自動的に増えることになるので、特別に法人税法に記入しなくても良いためです。
無償による資産の譲受の場合、資産を譲り受けることになります。
資産は減価償却資産であったり、土地のような売らない限り、資産として残ってしまうものであったりします。
このため役務の場合と異なり、費用のようにすぐになくなってしまうわけではなく、残ってしまうものであるため、益金になるものとして法人税法に記載しておく必要がありました。
実務の話には、直結しないことですが、関係する話ですので、興味のある方はご参考にしていただければと思います。