中学生でも思い付く租税回避 ユニマット事件

税法の抜け穴を利用して、税金を逃れることを租税回避といいますが、
租税回避するのもなかなか簡単ではありません。

租税回避スキームを考えるのはどういう方なのでしょう。
テレビドラマにもなったハイドアンドシークは、フィクションですが、よくできている小説ですので、おすすめです。

租税回避スキーム

税金を極力払いたくないというのは、多くの方が思うところでしょう。
しかし、税金がないと国が機能しなくなります。
このため税金が無くなっては困りますので、自分だけはできるだけ払う額を抑えたいと思うでしょう。
余計に税金を払う必要はありませんので、余計な税金を払わないようにすることは可能です。

税金を払いたくない人でも、法律に触れてまで、税金を払わないのは犯罪になるので、法に触れないように払わないように、あの手この手を考えます。
そこで考え出された手が、法律には触れていないけど、元々法律で想定された方法以外の方法で、税金を払わないような手にするのが、租税回避と言われております。

日本では税金に関しては、法律に書かれていることを一番に重視することになっております。
このため、裁判となった場合には、法律に書かれているかが一番の肝となります。
それは納税者が、税金を支払うことを避ける意思があったかどうかは、重視しないということを意味します。

ユニマット事件

株式を売ったことで支払わないとならない税金を支払わなかったことで、2008年に裁判になったことがあります。
ユニマット社の株式に関連することから、ユニマット事件と呼ばれております。

当時の所得税の法律では、日本に住所があって、1年以上日本に住んでいる人を日本の居住者として、税金をかけることになっておりました。
裁判になった納税者は、株を売った時、日本ではなくシンガポールに住んでいた事実を作って、日本で税金を払いませんでした。
これを税務署が違法としました。

裁判では、日本にいなかった事実を、実際の年数だけではなく、その他の状況(職業や資産の保管場所、一緒に暮らしていた親戚が住んでいた場所など)を考慮にいれて判断されました。
最終的には、日本には住んでいなかったと認定されて、税金を支払わずに終わりました。
(現在は同様な方法で税金を逃れることができないように、法律が変更になっております)

脱税ギリギリはやめるべき

結果的には、税金を支払わずに終わりましたが、比較的容易に税金を支払わないことができるということが判明したことになります。
中学生でも気づく租税回避と私の知人は申しておりましたが、そのように安易に税金逃れができる法律は修正すべきということで、修正となりました。
しかし、法律も完全ではありませんので、税金を逃れることができる方法があったとしても、裁判の結果次第ではありますが、税金を支払うことになる可能性は高いです。
ユニマット事件のようなケースもありますが、意図的に税金を逃れることは、脱税とみなされ、より高い税金を払うことになるリスクが高いことから、行うべきではありません。